苟合こうごう)” の例文
母のしいたげ、五十川いそがわ女史の術数じゅっすう、近親の圧迫、社会の環視、女に対する男の覬覦きゆ、女の苟合こうごうなどという葉子の敵を木村の一身におっかぶせて
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
名誉や金銭に縛られて心にもない妥協をしたり苟合こうごうしたり、腐敗したり、堕落したりして、純真な恋を踏みにじったり、引歪ひきゆがめたり、売物買物にしたりする紳士淑女たちの所謂いわゆる
超人鬚野博士 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
国軍の本務は国防に在るか奈辺なへんに在るか、政治は国民の総意にるべきか一部少数の〔暴〕力に依るべきかは、厳として対立する見解にして、その間何等の妥協苟合こうごうを許されない。
二・二六事件に就て (新字新仮名) / 河合栄治郎(著)