艶立えんだ)” の例文
右も左も見る限り、塩を含んだ荒砂は、冷たい浪の洗ふに委せて、此処は拾ふべき貝殻のあるでもなければ、もとより貝拾ふ少女子をとめごが、素足に絡む赤の艶立えんだつ姿は見る由もない。
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)