艀船はしけ)” の例文
万寿丸は別に錨を巻いて逃げるほどのことはないが、石炭積み取りの艀船はしけは波で来られないという、はなはだじれったいあいまいな日が三、四日続いた。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
落人おちうど両人の者は夜分ひそかにその艀船はしけに乗り移り、神奈川以東の海岸からのぼる積りに用意した所が、その時には横浜から江戸に来る街道一町か二町目ごとに今の巡査じゅんさ交番所見たようなものがずっとたって居て
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
船長は直江津の艀船はしけ腑甲斐ふがいなさを、冷やかす意味において、水火夫全体へ向かって、当番を除いたほかの者は、ボートと伝馬てんまとをおろして、練習していいという
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)