舵綱かじづな)” の例文
検疫官が片手に舵綱かじづなをあやつりながら、有頂点うちょうてんになってそれを拾おうとするのを見ると、船舷ふなばたに立ちならんで物珍しげに陸地を見物していたステヤレージの男女の客は一斉いっせいに手をたたいてどよめいた。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)