舟岡山ふなおかやま)” の例文
ゆめからさめたようにあたりをみると、舟岡山ふなおかやまは水いろにあけている。春のあけぼの! 春のあけぼの! 小鳥はそういって歌っていた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
仕事がおわると、舟岡山ふなおかやまの方へ引き上げて、そこで何か命令が出るでしょう。しかし、物を配分することがあっても、あなたは取らないで下さい。
女強盗 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
居士は愛弟子まなでし竹童をかかえて、いったいどこへつれていく気か? やがて森林をぬけて、紫野むらさきののはて、舟岡山ふなおかやまの道を一さんにのぼりだした。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして、バラバラと舟岡山ふなおかやまをかけおりていく彼のすがたを見送っていると、たちまち、がけをこえ、雷神らいじんたきの流れをとび、やがて森から紫野むらさきののはてへかすんでしまった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)