自恃じじ)” の例文
このような浅ましい身と成り果て、自信も自恃じじも失いつくしたのち、それでもなお世にながらえてこの仕事に従うということは、どう考えてもたのしいわけはなかった。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
ピンポン大学の学生であるという矜持きょうじが、その不思議の現象の一誘因となって居るのである。伝統とは、自信の歴史であり、日々の自恃じじの堆積である。日本の誇りは、天皇である。
古典竜頭蛇尾 (新字新仮名) / 太宰治(著)
自分を尊敬しなかったがゆえに、彼は飲んだ。そうしてすべての良き意図が、あとからあとから崩れて、自恃じじの念をむしばんでゆくにつれて、彼はますます自分を尊敬しなくなったのである。
誤って下層階級に生い立たせられたところから自恃じじに相応わしい位置にまで自分を取戻すにはカンでじ登れる芸術と称するもの以外には彼等は無いと感じた。彼等は鑑識の高さや広さを誇った。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
傾倒の度も不足であるが、自恃じじの念も弱いのだ。
二流の人 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
人には自恃じじがあればよい!
山羊の歌 (新字旧仮名) / 中原中也(著)