臥龍がりょう)” の例文
新字:臥竜
臥龍がりょうに這った松の木に足をふみかけ、その丘の上から卍丸の船影を見下ろしていた武士がある。それは法月弦之丞であった。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「それがしも満足。御辺もこれで、まずは深淵を出て、風雲の端に会したというもの。臥龍がりょう、いよいよご自重じちょうあれや」
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「あれに見える山の南の、帯のような岡を、臥龍がりょうの岡と申しますだ。そこから少し低いところに、一叢ひとむらの林があって、林の中に、柴の門、茅葺かやぶきいおりがありますだよ」
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「——ああ、臥龍がりょう先生、そのしゅを得たりといえども、惜しい哉、その時を得ず! その時を得ず!」
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして、司馬徽しばきが云った、臥龍がりょう鳳雛ほうすうの一人がもしやその浪士ではないかしらなどと思った。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(羽柴筑前の熱心は、ついに臥龍がりょう半兵衛はんべえを、自己の陣営へひき込んだ)
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)