膿汁うみ)” の例文
若い眼も心も崩壊の膿汁うみにふれていながら、事実は事実として見て、生活でぐっとそれによごされず突破してゆくような生活意欲はつちかわれていない。
偽りのない文化を (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
見ればその足の甲から、青い膿汁うみが一升もあふれ出ているではないか。それは、またこの清澄な天界に、な人間のにおいと、っ切れた万鬱ばんうつの香気とを放っていた。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
患部の膿汁うみを拭きとることから、朝夕のくすりの塗布や煎薬せんやくなども侍医にはさせないで妻にさせた。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)