肩肘かたひぢ)” の例文
萬次はこと/″\しをれ返つてをります。これが筋彫の刺青いれずみなどを見榮にして、やくざ者らしく肩肘かたひぢを張つてゐたのが可笑しくなるくらゐです。
ようやく落着いた平次、その後ろに肩肘かたひぢを怒らす八五郎、お時はお靜の身體をたてにして、部屋の隅へ小さく坐りました。
少し菊石あばたがあつて、五尺六七寸の大兵、腕自慢らしい、——そして磊落らいらくさを看板にして、つまらないことにも肩肘かたひぢを張つて見せる男ですが、平次の馴れた眼から見れば
檜木風之進は一刀にそりを打たせると、狹いお勝手一パイに肩肘かたひぢを張りました。が、さう言ふ癖に風之進の顏は、妙にニヤニヤして、皮肉で虚無的で、妥協的でさへあつたのです。
「それに、あのお孃さんは、養子の直之進が大嫌ひで、どうしても祝言をうんと言はないんですつて、——へツ、あの武藝自慢の肩肘かたひぢを張つた野郎ぢや、女の子には持てませんね」
油障子を開けると三輪の萬七が、銀張りの煙管を脂下やにさがりに、ニヤリニヤリしてゐるのです。その後ろには萬七の子分のお神樂かぐらの清吉が、若い女を一人引据ゑて、肩肘かたひぢを張つてをります。
取次の小者は、肩肘かたひぢ張つて入口を塞ぎ乍ら、精一杯の威嚇ゐかく的な聲を出します。
横井源太郎は勝手なことを言つて、肩肘かたひぢを張るのです。
肩肘かたひぢを張つて、眞四角にお辭儀をします。
八五郎は此處を先途と肩肘かたひぢを張るのです。
八五郎は縁側に頑張つて肩肘かたひぢを張ります。
八五郎は少しばかり肩肘かたひぢを張ります。
八五郎は思はず肩肘かたひぢを張りました。
八五郎は精一杯肩肘かたひぢを張るのです。
肩肘かたひぢを張つた十六貫近い巨躯きよく