肩摩けんま)” の例文
観音丸かんのんまるは船体しょうにして、下等室はわずかに三十余人をれて肩摩けんますべく、甲板デッキは百人をきてあまりあるべし。されば船室よりは甲板デッキこそ乗客を置くべき所にして、下等室は一個の溽熱むしあつ窖廩あなぐらに過ぎざるなり。
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)