しっか)” の例文
「いや、あれは身分違いに腹を立てているんだ。あの男の曲毬の腕は大したものだが、人間もしっかりしているよ。中山半七郎とは大変な違いだ」
すこぶる竜に似たものが大英博物館にあったので、予これは歌川派画工が描いた竜をまねたのだろと言うと、サー・チャーレス・リードが、しっかり手に執って見よというから、しばらく審査すると
お隅の萎れた身体はくらの上に乗せ、足は動かさないようにしっかと馬の胴へ括付くくりつけました。母親おふくろ油火カンテラを突付けて見せる——お隅は編笠、源は頬冠ほっかぶりです。坂の上り口まで父親に送られて、出ました。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
平次を迎えたのは、若主人の専助、まだほんの二十二三の男ですが、気風も身体もしっかりした桔梗屋が娘の婿にと望んだだけに、何となく頼母たのもし気な青年でした。
甚三郎、なかなかのしっかり者らしい男です。