聞恍ききほ)” の例文
その日は宗蔵も珍しく機嫌よく、身体の不自由を忘れて、嫂の物語に聞恍ききほれていた。実が刑余の人であるにもかかわらず、こういう昔の話が出ると、弟達は兄に対して特別な尊敬の心を持った。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)