翁屋おきなや)” の例文
ガラッ八の八五郎がもういちど引返した時は、翁屋おきなやはすっかり片付いて、町内の衆や親類方が引っきりなしに出入りしておりました。
やめてから矢の倉の鳥万、馬喰ばくろ町の平松、神田の翁屋おきなやと、勤めてはやめ勤めてはやめ、みんな三十日そこそこしか続かず、十六の春ようやく、こうじ町平河町の稲毛という店へ住込みでおちつきました
滝口 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
ガラツ八の八五郎がもう一度引返した時は、翁屋おきなやはすつかり片付いて、町内の衆や親類方が引つきりなしに出入りしてをりました。
神田鍋町の呉服屋、翁屋おきなやの支配人孫六は、何にか物におびやかされるやうに眼を覺しました。土藏の方から、異樣な物音が聽えて來たのです。
神田鍋町の呉服屋、翁屋おきなやの支配人孫六は、何か物におびやかされるように眼を覚ましました。土蔵の方から、異様な物音が聴えて来たのです。
「ところでもう一つ訊きたいが、翁屋おきなやの商賣の方はどうだつたんだ。あまり良くない噂を聽いたやうに思ふが、——」
「もう一度翁屋おきなやへ引返さう。段々面白くなつて來る樣子だ」
「通り三丁目の翁屋おきなや小左衞門で」