繊指ほそゆび)” の例文
片手を水の上にひたせ、水をなぶっている繊指ほそゆびは、立っている父親の眼の下にあった。そろえた膝と小さな足——こまかいことを考えることに秀でた頭には、煙った髪がさらさらと肩まで垂れている。
みずうみ (新字新仮名) / 室生犀星(著)