縦通たてどおり)” の例文
縦通たてどおりから横通りへ、電車の交叉点こうさてんを、その町尽れの方へさがると、人も店も、の影も薄く歯の抜けたような、間々を冷い風が渡る癖に、店を一ツ一ツ一重ひとえながら、ぼうと渦を巻いたような霧で包む。
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)