綸巻いとまき)” の例文
これと同時に、右の手は無意識に自ら伸びて、座右の品匣しなばこ(釣の小道具入)を引き寄せぬ。綸巻いとまきを取り出しぬ。
元日の釣 (新字旧仮名) / 石井研堂(著)
小桶の水にけ置ける綸巻いとまき取り出し、そろそろ用意を始む。鈎は、四ぶんなれば、其の太さ燐寸マッチの軸木ほどにて、丈け一寸に近く、屈曲の度は並の型より、懐狭く、むしろひょっとこに近く、怪異なり。
大利根の大物釣 (新字新仮名) / 石井研堂(著)