継承けいしょう)” の例文
日本信者の形容をもってすれば一つのつぼの水を他の一つの壺に移すが如くに肉食を継承けいしょうしているのである。次にまた仏教の創設者釈迦牟尼しゃかむにを見よ。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「——皇室の御内事は、皇室でおきめください。ただ、申しあげておくことは、いつの時代でも、皇位の不自然な継承けいしょうは乱のもとです。御一考を要しましょう」
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
天智天皇は当然継承けいしょうすべき帝位に即かず、皇極、孝徳、斉明、三帝のもとに皇太子として暗躍した。斉明は皇極の重祚じゅうそであり、天智の生母、舒明の皇后であり、孝徳はその弟、天智の叔父に当る。
道鏡 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
「さきに践祚せんそはあらせられたが、新帝の光明院へは、まだ、神器のおゆずりはおこなわれていない。何せ、神器の授受じゅじゅを見ねば、正しい天皇の御位みくらい継承けいしょうされたとは申し難い」
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
将来の帝位継承けいしょうは、ひとり持明院統の君だけでなく、大覚寺統——すなわち、後醍醐の子孫も——帝位につく資格があるものと、はっきり、示したわけなのだから、これが
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)