給仕頭きゅうじがしら)” の例文
給仕頭きゅうじがしらと見える若い白服の男がやって来て小声で何か弁解している。老人はまた「ほかの客にはタオルを持って来るのに、わしには持って来んじゃないか」
三斜晶系 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
金博士が、がなりつけるようにいうと、ひょっくり衝立からとびだしてきた給仕頭きゅうじがしら
勿論それはあの給仕頭きゅうじがしらなどに、暇つぶしを以てもくさるべき悠長な性質のものではない。
毛利先生 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
自分は眼を伏せたまま、給仕の手から伝票を受けとると、黙ってカッフェの入口にある帳場ちょうばの前へ勘定に行った。帳場には自分も顔馴染かおなじみの、髪を綺麗に分けた給仕頭きゅうじがしらが、退屈そうに控えている。
毛利先生 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)