終焉記しゆうえんき)” の例文
もう一歩進めて皮肉に考へれば、事によるとその眺め方の背後には、他日自分の筆によつて書かるべき終焉記しゆうえんきの一節さへ、予想されてゐなかつたとは云へない。
枯野抄 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
翁が臨終りんじゆうの事は江州粟津の義仲寺にのこしたる榎本其角が芭蕉終焉記しゆうえんきに目前視るが如くにしるせり。此記をるに翁いさゝか菌毒きんどくにあたりてとなり、九月晦日より病にふしわづかに十二日にして下泉かせんせり。
翁が臨終りんじゆうの事は江州粟津の義仲寺にのこしたる榎本其角が芭蕉終焉記しゆうえんきに目前視るが如くにしるせり。此記をるに翁いさゝか菌毒きんどくにあたりてとなり、九月晦日より病にふしわづかに十二日にして下泉かせんせり。