紺蛇目傘こんじゃのめ)” の例文
紫の矢絣やがすり箱迫はこせこの銀のぴらぴらというなら知らず、闇桜やみざくらとか聞く、暗いなかにフト忘れたように薄紅うすくれないのちらちらするすごい好みに、その高島田も似なければ、薄い駒下駄に紺蛇目傘こんじゃのめそぐわない。
妖術 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
コオトは着ないで、手に、紺蛇目傘こんじゃのめの細々と艶のあるを軽く持つ。
妖術 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
電車の口からさっと打った網のすそが一度、混雑の波に消えて、やがて、むきのかわった仲見世へ、手元を細くすらすらと手繰寄せられたていに、前刻さっきの女が、肩を落して、雪かと思う襟脚細く、紺蛇目傘こんじゃのめ
妖術 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)