紫頭巾むらさきづきん)” の例文
變な女だと思つたが、段々見て居ると、こいつも惡くない女ですよ。前帶に紫頭巾むらさきづきんで、變てこな風を
思はず銀之助はそこを飛出した。玄関を横過よこぎつて、長い廊下を通ると、肩掛に紫頭巾むらさきづきん、帰り仕度の女生徒、あそこにも、こゝにも、丑松の噂を始めて、家路に向ふことを忘れたかのやう。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)