納屋倉なやぐら)” の例文
そして、殺すといい、殺してくれと叫んでいた男と女が、気だるい春昼しゅんちゅう納屋倉なやぐらに、蒸れ合うばかりな情炎の餓鬼となって苦悶した。
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「したじゃございませんか——ほれ、剣山のふもと口の——あのむし暑い納屋倉なやぐらの中で、納豆なっとうみたいになりながら、いつまで、シクシクシクシクと」
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)