糸切歯やえば)” の例文
そして、年ばえもそう大しては違わない、一つか二つほど上であろう。色が白くて、笑靨えくぼが深かった、笑うと、すこしむしっている糸切歯やえばが唇からこぼれて見える。
篝火の女 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして袂から煎豆いりまめを出して、ぽりぽり食べ初めたが、時々、愛くるしい唇の間から、虫蝕むしくいで黒くなった糸切歯やえばが見え、あまり歯が丈夫でないたちとみえて固い豆がよくめない。
篝火の女 (新字新仮名) / 吉川英治(著)