粗木あらき)” の例文
粗木あらきのテーブルの片隅に置かれてあるあぶら蝋燭の光りを頼りに、一人の男が書物に何か書いてあるのを読んでいた。
粗木あらきの膳棚の中に食べおわった五人分のめし茶碗が押しかさねられ、長い食卓の上には食べかけになっためし茶碗と椀が四人分、いずれも飯や味噌汁をつけ
顎十郎捕物帳:13 遠島船 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
家をつくり、塔を組む、番匠なんどとは事變りて、これはしやうなき粗木あらきを削り、男、女、天人、夜叉、羅刹らせつ、ありとあらゆる善惡邪正ぜんなくじやしやうのたましひを打ち込む面作師。
修禅寺物語 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
粗木あらきづくりの腰掛に。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
家をつくり、塔を組む、番匠ばんしょうなんどとは事変りて、これはしょうなき粗木あらきを削り、男、女、天人、夜叉、羅刹らせつ、ありとあらゆる善悪邪正のたましいを打ち込む面作師。
修禅寺物語 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)