“笛嚢”の読み方と例文
読み方割合
ふえぶくろ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
弦之丞は、しきりとしゃべっている男の話には、よい程な生返辞なまへんじをしていながら、ひそかに笛嚢ふえぶくろの紐を解き、秘差かくしざしの一刀へ左の手をかけて、プツンと拇指おやゆび鍔裏つばうらを押しきっていた。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
騎馬の女性は、坂の口のてまえまで来ると、ふと、駒を止めてしまい、吹いていた笛を、笛嚢ふえぶくろに納めて、帯のあいだに手挟たばさんだ。——そして——眉の上に当る被衣かつぎの端に手をかけて
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
強請せがまれて、お菊は、帯にしている笛嚢ふえぶくろを抜いた。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)