竪琴ハープ)” の例文
上衣は、太陽、月、星などの模様に、提琴フィドル横笛フリュート竪琴ハープ喇叭トランペット六弦琴ギター、そのほか、いろんな珍しい楽器の模様を交ぜています。
のみならず、あるいは気のせいかは知らないけれども、なんとなくその形が、竪琴ハープにも似ているように思われるのだった。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
ストーヴの傍にいた家族の者らしい老夫婦が、ヴァイオリンと竪琴ハープとでそれに和した。私はエビス・ビールが我慢出来なかったので、酒台のところに立って火酒ウォトカを飲んだ。
世界をめぐってふるえる竪琴ハープの調べのなかでわれわれに戦慄をあたえるものはその強調である。
今やその表紙に竪琴ハープを、扉の口絵にはロセッティなどの絵をのせた姿を消すこととなった。
婦人と文学 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
食事が終るに先立って、美しいコト(日本の竪琴ハープ)が二面持ち込まれ、畳の上に置かれた。
老年ではあったが彼女は、なお竪琴ハープをいつも弾じていて、それもきわめて巧みに弾じた。
黄昏は枯木が抱いてゐる竪琴ハープ
天の狼 (新字旧仮名) / 富沢赤黄男(著)
「いいえ、竪琴ハープの前枠に手をかけていて、私は、そのままっと息をらしておりました」と伸子はためらわずに、自制のある調子で云い返した。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「冗談じゃない。音楽は独逸の美術なり——と云うぜ。この館では、あの伸子という女さえ、竪琴ハープを弾くそうなんだ」
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)