空知川そらちがは)” の例文
下富良野しもふらので青い十勝岳とかちだけを仰ぐ。汽車はいよいよ夕張と背合はせの山路に入つて、空知川そらちがはの上流を水に添うてさかのぼる。砂白く、水は玉よりも緑である。
熊の足跡 (旧字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
札幌を出発して単身空知川そらちがはの沿岸に向つたのは、九月二十五日の朝で、東京ならば猶ほ残暑の候でありながら、余が此時の衣装ふくさうは冬着の洋服なりしを思はゞ
空知川の岸辺 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
天龍川の鐵橋——大井川、富士川の鐵橋——利根川、阿武隈川あぶくまがは、北上川の鐵橋。十勝川、十勝石狩國境の山中、空知川そらちがは、石狩川等の鐵橋——記憶の耳には、がうがう云つて、列車が通り過ぎて行く。
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
空知川そらちがは雪にうもれて
一握の砂 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)