穀倉こくそう)” の例文
彼が主力をひっげてこれへ来るまでの間に、柴田勢が放火したり、田畑や穀倉こくそうなどを蹂躪じゅうりんした地域はかなりの広さにわたっている。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
呂宋ルソン穀倉こくそうと言われる此の盆地を確保することは持久戦を続けるために絶対必要なことである。此処を失えば全員山中に追い込まれて餓死の他はない。
日の果て (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
役署の穀倉こくそうは開かれ、奪いとった金やきぬは山をなし、良馬二百余頭も、一ヵ所につなぎ出された。宋江はこれの半分を梁山泊へ輸送させ
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「——お父上、お父上。裏山の穀倉こくそうか、水の手には、まだほのおはかかりません。あれに、しばらく」
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
荒土ながら、穀倉こくそうのある家が多い。平和な真昼のまがきの花がうなだれていた。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)