種姓スジヤウ)” の例文
私の目にうつゝたのは、その帽子の種姓スジヤウのよさであつた。その時は、電車がすいてゐたので、その人は帽子をぬいで、片手に持つたのだらう。
戞々たり 車上の優人 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
此処に伊勢新九郎長氏の種姓スジヤウ調べが、一道の光明を与へる。長氏の本貫は、大和とも宇治とも言ふ。
愛護若 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
人馬ニンマと言ふ名は、此村の真の種姓スジヤウを、暗に、示してゐる様に思はれる。何にせよ、石山の生き如来の為に、人として馬の様に働いてから、願泉寺衆をかう称へることになつたのださうである。
折口といふ名字 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
とこよのまれびとが名のりによつて、土地の精霊の名のりを促す形の一つ前の姿は、まれびと自身の種姓スジヤウを名のつて地霊を脅かす方法と、地霊の種姓を、こちらから暴露する為方とがあつた。
語部と叙事詩と (新字旧仮名) / 折口信夫(著)