稟質ひんしつ)” の例文
むしろ殆ど全く彼の持って生まれた稟質ひんしつによるものであることを、ほぼ突きとめ得たように思う。
又その人の稟質ひんしつの豊富さによるのであろうが、私などはこの頃になって小説というものにつき、そのこしらえものと、そうでないものとの差別がはっきりして来たようです。
少年時代に感奮させられた聖賢の書を引っ張り出したりするのだったが、本来稟質ひんしつが薄く、深く沈潜することができないせいもあって、それらの書物も言葉や文章は面白いが
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
多い彼の人物論のうち私は、「西郷南洲」、「大塩中斎(平八郎)」及び「進藤喜平太」を好む」といっているのは、中野の反政治家的稟質ひんしつを的確に表現しつくしているというべきであろう。
彼の大きなたのしみの一つは、こういう老馬どもを来客にさししめし、その稟質ひんしつをくわしく述べたて、その過去のはたらきを賞揚し、少々得意になって、その馬が彼を乗せて走ったときの危険な冒険や