秘蔵ひめ)” の例文
旧字:祕藏
千筋ちすじ百筋ももすじ気は乱るとも夫おもうはただ一筋、ただ一筋の唐七糸帯からしゅっちんは、お屋敷奉公せし叔母が紀念かたみ大切だいじ秘蔵ひめたれど何かいとわん手放すを、と何やらかやらありたけ出しておんなに包ませ
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
唯一筋の唐七糸帯からしゆつちんは、お屋敷奉公せし叔母が紀念かたみと大切に秘蔵ひめたれど何か厭はむ手放すを、と何やら彼やら有たけ出してをんなに包ませ、夫の帰らぬ其中と櫛かうがいも手ばしこく小箱に纏めて
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)