禄米ろくまい)” の例文
「たわけッ、いのちに替えられぬとは何をいうかッ。いいや、なんのためにお禄米ろくまいをいただいているのじゃ。もいちど行けいッ」
というのが、藩の財政逼迫ひっぱくで、長いあいだ藩士の禄米ろくまいが借上げになっていた。
四日のあやめ (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「どうです。今の御心境のままを日常に持っては。——朝倉家に身を置くはいいが、わずかな禄米ろくまいや小功を争って、みぐるしい内争にわざわいされているよりは、こうして悠々と、生涯をさおさしては」
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
山城守道三どうさんは、養子の義龍よしたつに殺され、その義龍も去年病死したりして、美濃は内紛ないふんに次ぐ内紛のみだれにあり、事実、小六への影響としても、道三の在世中は仕送っていた年々の禄米ろくまいや何かの手当も
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)