お園の三回忌の祥月命日しょうつきめいにちに、遂に新五郎が縄目に掛って南の御役宅へ引かれると云う、是より追々怪談のお話に相成ります。
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
その内に彼等の旅籠はたごの庭には、もう百日紅ひゃくじつこうの花が散って、踏石ふみいしに落ちる日の光も次第に弱くなり始めた。二人は苦しい焦燥の中に、三年以前返り打に遇った左近の祥月命日しょうつきめいにちを迎えた。
或敵打の話 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
かくて佐助は晩年に及び嗣子しし妻妾さいしょうもなく門弟達に看護されつつ明治四十年十月十四日光誉春琴恵照禅定尼の祥月命日しょうつきめいにちに八十三歳と云う高齢こうれいで死んだ察する所二十一年も孤独で生きていた間に在りし日の春琴とは全く違った春琴を
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
丁度親父の祥月命日しょうつきめいにちいさゝか志を出して、何うかお経を上げて下さいと云う。
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)