祐助ゆうすけ)” の例文
しかし一晩寝て起きると、またすっかり家の子にもどってしまって、翌朝兄さんの祐助ゆうすけ君にいろいろとたずねられた時、覚えず弱音をふいた。
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
安積艮斎は抽斎とのまじわりが深くなかったらしいが、抽斎をして西学せいがくを忌む念をひるがえさしめたのはこの人の力である。艮斎、名は重信しげのぶ、修してしんという。通称は祐助ゆうすけである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
とお兄さんの祐助ゆうすけさんが笑った。この春二人ふたりで観桜会へお父さんのおともをしたのである。
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
正三君は兄さんが二人ふたりと姉さんが二人ある。一番上の兄さんはもう帝大ていだいを卒業して朝鮮総督府ちょうせんそうとくふへつとめている。つぎの祐助ゆうすけ君も来年出る。姉さんは一人ひとり女学校がすんで、もう一人在学中だ。
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)