知縁ちえん)” の例文
それに相手が佐々木道誉、身分は月とすっぽんほど違うが、知縁ちえんは古く、その欲望の旺盛な人間味なども、まずはよく分っている。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
知っての通り、摂津の荒木村重むらしげと予の家とは、先代からの知縁ちえん。予の代になっても、切るに切られぬ縁つながりでもある。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また、あとに残る国中の人々も、その音に依って、軍の発向を知り、軍に従ってゆく知縁ちえんの将士を想いに描きながらその一瞬を胸の中で祈念していた。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、知縁ちえんを求めて、松琴尼の許へあずけたのであった。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)