真向まむこ)” の例文
旧字:眞向
だが、眼だけは、たえず真向まむこうの酒井家蔵用人くらようにん本田頼母ほんだたのもの屋敷に注意していた。啓之助はそれを天満の万吉だとは夢にも知らなかったが、万吉の方ではくから気がついていた。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
南屋の普請ふしんかかって居るので、ちょうど与吉の小屋と往来を隔てた真向まむこうに、小さな普請小屋が、真新まあたらしい、節穴ふしあなだらけな、薄板で建って居る、三方さんぽうが囲ったばかり、編んで繋いだなわも見え
三尺角 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)