県尉けんい)” の例文
「おうっ、あるじの史進か。このほうは県城の県尉けんいであるぞ。汝の手で、賊をからめて突き出せばよし、さもなければ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
黒けむりはたちまち疾風雲はやてぐもけるに似、名月は血の色そのまま、剣光の雨と叫喚きょうかんを下に見ていた。——まもなくかるる風葉ふうようのごとく、県尉けんいの馬や捕手の群れは逃げ散ッた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
県尉けんいといえば、片田舎の一警察署長といったような官職にすぎなかったが、帝命をもって叙せられたことであるから、それでも玄徳は、ふかく恩を謝して、関羽、張飛を従えて、即座に
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)