相続人あととり)” の例文
旧字:相續人
定太郎は佐渡屋の相続人あととりなんですが、親父はすこし思惑をやり過ぎるんで、この節、だいぶ火の車で、こりゃまア、世間の評判だけでしょうが
相続人あととりの実も今度はよくやってくれればいいがということ、次の森彦からも暫時しばらく便たよりが無いこと、宗蔵の病気もどうかということ、それからそれへと姉の話は弟達のうわさに移って
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
彼女はとついで行った小山の家の祖母おばあさんの死を見送り、旦那と自分の間に出来た小山の相続人あととりでお新から言えば唯一人の兄にあたる実子の死を見送り、二年前には旦那の死をも見送った。
ある女の生涯 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)