盲乳めくらぢち)” の例文
乳が出るようになっても、秋子のは盲乳めくらぢちだった。乳首をもみ出して吸いつかせるのに、彼女は一生懸命になっていた。
幻の彼方 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
秋子の盲乳めくらぢちによりも一層安々と、護謨ゴムの乳首に吸いついて、咽せるほど吸っている子供の様子を、順造は涙ぐましい心地で眺めた。秋子も首を伸して、その方を眺めていた。
幻の彼方 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)