百萬遍ひやくまんべん)” の例文
新字:百万遍
何処どこか近くの家で百萬遍ひやくまんべん念仏ねんぶつとなへ始める声が、ふと物哀ものあはれに耳についた。蘿月らげつたつた一人で所在しよざいがない。退屈たいくつでもある。薄淋うすさびしい心持こゝろもちもする。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
陰気いんき百萬遍ひやくまんべんの声がかへつてはつきりきこえるばかり。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)