トップ
>
癈人
>
はいじん
ふりがな文庫
“
癈人
(
はいじん
)” の例文
どんな病氣か知りませんが、ほとんど
癈人
(
はいじん
)
と言つてよく、床に就いたつきりで、何を訊ねても、はつきりした答はありません。
銭形平次捕物控:266 処女神聖
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
こんな事をして暮して、いったい僕はこれから、どんな身の上になるのだろう。なんの事はない、てもなく
癈人
(
はいじん
)
じゃないか。そう思うと、
呆然
(
ぼうぜん
)
とする。
パンドラの匣
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
ソレドコロカ単独デ外出スルヿモ、人ト応対スルヿモ不可能ニナリ、結局
癈人
(
はいじん
)
ニナッテシマウノデハナイカ。
鍵
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
神経衰弱となり、にわかに顔までゲッソリやつれ、
癈人
(
はいじん
)
の如くに病み衰えてしまった。
オモチャ箱
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
いまに、ここから出ても、自分はやっぱり狂人、いや、
癈人
(
はいじん
)
という刻印を額に打たれる事でしょう。
人間失格
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
▼ もっと見る
お
酉
(
とり
)
は以ての外の顏をするのです。先妻のお艶が死んでしまひ、越後屋の主人金兵衞が
癈人
(
はいじん
)
となつてしまつた今となつては、この厄介な事件の、奧の奧をさぐる工夫もありません。
銭形平次捕物控:232 青葉の寮
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ほとんど
這
(
は
)
うようにして栃木県の生家にたどりつき、それから三箇月間も、父母の
膝下
(
しっか
)
でただぼんやり
癈人
(
はいじん
)
みたいな生活をして、そのうちに東京の、学生時代からの文学の友だちで
女類
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
癈
漢検1級
部首:⽧
17画
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
“癈”で始まる語句
癈
癈兵
癈疾
癈者
癈頽