異母弟おとうと)” の例文
範頼に対しても、義経は異母弟おとうとであるし、こんどの軍の編制でも範頼は総大将であり、彼は一方の指揮官でしかない。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今朝……四月二十七日の午前十一時頃の事、雨の音も静かなQ大医学部、大寺内科、第十一号病室のドアを静かに開いて、私の異母弟おとうと友石友次郎ともいしともじろう這入はいって来た。
冥土行進曲 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
世の衆望は今、にわかに、義経をたたえているが、まだ二十七歳にしてあの才略ある異母弟おとうとの偉さを、誰より早くまたふかく見抜いていたのは頼朝であった。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
時来って、兄上の旗挙げと聞き、夜を日についで馳せ下って来たのです。……常磐ときわが腹の末の異母弟おとうと牛若と披露あれば、必ず兄上にも思い出して下さるであろう
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)