由仁ゆに)” の例文
さきにちよツと直接に交渉があつた男生徒が、お鳥の兄(由仁ゆににゐる)にも交渉したら、本人さへよければとの返事だ。
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
「それなら、それで止むを得なかつたのだらう。」義雄はお鳥の兄のゐる由仁ゆにを汽車でとほつたことを思ひ出した。
泡鳴五部作:04 断橋 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
由仁ゆににゐる兄の勸めか、命令かにより、柔術を習ひに行つたこと——祭禮のあつた時、藝者の子と一緒に揃ひの衣物で踊つたこと——小學校の往きや歸りにいたづらをする男の兒を
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
再び汽車に乘つて、稻穗のよく實る水田が廣がつてゐる栗山や由仁ゆにを通過する時、義雄は一種のおそろしみを感じた。ほかでもない、この邊にお鳥の實兄が刑事探偵をしてゐるのである。
泡鳴五部作:04 断橋 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
由仁ゆにへ行つたお鳥のことが思ひ出されて、なかなか段落が進まない。
泡鳴五部作:04 断橋 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)