“ゆに”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
由仁66.7%
湯煮33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さきにちよツと直接に交渉があつた男生徒が、お鳥の兄(由仁ゆににゐる)にも交渉したら、本人さへよければとの返事だ。
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
「それなら、それで止むを得なかつたのだらう。」義雄はお鳥の兄のゐる由仁ゆにを汽車でとほつたことを思ひ出した。
泡鳴五部作:04 断橋 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
由仁ゆににゐる兄の勸めか、命令かにより、柔術を習ひに行つたこと——祭禮のあつた時、藝者の子と一緒に揃ひの衣物で踊つたこと——小學校の往きや歸りにいたづらをする男の兒を
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
再び汽車に乘つて、稻穗のよく實る水田が廣がつてゐる栗山や由仁ゆにを通過する時、義雄は一種のおそろしみを感じた。ほかでもない、この邊にお鳥の實兄が刑事探偵をしてゐるのである。
泡鳴五部作:04 断橋 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
小半日ばかり湯煮ゆにして、やわらかに煮あげ、それを里芋、牛蒡、焼豆腐と共に旨煮にこしらえて賞味したところ、山谷の匂い口中に漂って、風雅の趣を噛みしめた。
老狸伝 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)