“生姜市”の読み方と例文
読み方割合
しょうがいち100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いちばん最初の事件は……なんでも、芝神明しばしんめい生姜市しょうがいちの頃でしたから、九月の彼岸ひがん前でしたかな……刑事部の二号法廷で、ちょっとした窃盗事件の公判がはじまったんです。
あやつり裁判 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
寒々と、時雨しぐれがして、宵から戸をおろしていた。——その晩だった。生姜市しょうがいちの夜に約束した、桂小五郎と武市半平太が、傘もささず、痩せ細った若い侍を連れて、訪れたのは。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
文久二年の秋ももう暮れかかって、芝神明宮の生姜市しょうがいちもきのうで終ったという九月二十二日の夕方の出来事である。神明の宮地から遠くない裏店うらだなに住んでいるおまきという婆さんが頓死した。
半七捕物帳:12 猫騒動 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)