珠数繋じゅずつな)” の例文
中庭には人足と飯場女とが五十人余り珠数繋じゅずつなぎにされ、ズラリと一列に並んでいたが、地丸左陣の姿を見ると恐怖の表情をさっと浮かべた。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
乗ってる者は残らず珠数繋じゅずつなぎにされて、向うの政府の猟船が出張って来るまで、そこの土人へ一同お預けさ
深川女房 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
青い軍服を着た海軍士官の一隊が——彼の眼には編笠あみがさをかむって珠数繋じゅずつなぎになっている囚人の姿に見えてくる。こうした憂鬱ゆううつに沈みきって、悄然しょうぜんとむなしい旅から戻って来た。
苦しく美しき夏 (新字新仮名) / 原民喜(著)
彼の背後うしろには縄付きが五人ズラリと廊下にひざまずいている。昨日まで武威を誇っていた鬼王丸と四天王とがいわゆる珠数繋じゅずつなぎに繋がれて悄然しょうぜんと跪いているのである。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)