独占ひとりじめ)” の例文
旧字:獨占
こっそりと独占ひとりじめにする凄腕すごうでを持っていようとは思わなかった、さて、おれが仕込んで、おれ以上の腕になったというものか、全く以て小娘は油断ができない
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
横着にも幸田節三は今やそれをまるまる独占ひとりじめにしあえてあやしむ様子もないから、さすがの博士も忌々しくなったものと見え、演説もろとも幸田を押退けると演壇の端まで進み出で
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
昨日きのうも昨日、団体客が三百人も来る、宮様の行啓中だ。さあ騒ぎだ。この潮時に一軒で独占ひとりじめするのも気の毒だ。半分けてあげよう。へん、別けてあげようが聞いて呆れるじゃありませんかね。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)