かッ)” の例文
月の御堂のあとという、一むらの樹立、しかも次第高なれば、そのこずえにかくれたのが、もみじを掛けた袈裟けさならず、法衣ころものごとくかッと立った。
蒼白あおじろい顔も、もう酔ったようにかッいきおいづいて、この日向で、かれこれかんの出来ているらしい、ペイパの乾いたびん膚触はだざわりもあたたかそうな二合詰を買って、これを背広のわきへ抱えるがごとくにして席へ戻る
革鞄の怪 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)