無気むき)” の例文
旧字:無氣
「そう無気むきになったッてしようがない、わ、ね。おッ母さんだッて、抜かりはないが、向うがまだ険呑けんのんがっていりゃア、考えるのも当り前だア、ね」
耽溺 (新字新仮名) / 岩野泡鳴(著)
店の若い者が眼をさまして見ると、彼らは昂奮こうふんした声を押つぶしながら、無気むきになって勝負にふけっていた。若い者は一寸ちょっと誘惑を感じたが気を取直して
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)