漳河しょうが)” の例文
その夕、彼は、銅雀台の遊楽も半ばに、漳河しょうがの春にも心を残しながら、にわかに車駕をととのえて許昌の都へ帰って行った。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「もし、射損じたものは、罰として、漳河しょうがの水を腹いっぱい呑ますぞ。自信のないものは、今のうちに列から退がれ。そしてこれへ来て罰盃ばっぱいを飲め」
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「よしっ。くれないの旗の下に集まった輩は、残らず、異心ある者と見てよろしい。一人のこらず引っくくって、漳河しょうがの岸へ引っ立てろ。もちろんみな打ち首だ」
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その時、楽部がくぶ伶人れいじんたちは、一斉に音楽を奏し、天には雲をひらき、地には漳河しょうがの水も答えるかと思われた。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかし曹操は、耳のない人のように、いや涙すらない巨像のように漳河しょうがの水のほうを見ていた。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
曹軍の北伐ほくばつにあたって、戦乱の地から移ってきた知人のはなしに、曹操は河北の平定後、漳河しょうがのほとりに楼台を築いて、これを銅雀台どうじゃくだいと名づけ、造営落工までの費え千余日
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こんどは内城の周囲四十里にわたって漳河しょうがの水を引き、城中を水攻めにした。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一年余の工を積んで、漳河しょうがほとりに銅雀台どうじゃくだいを築いた。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)